EvoLabについて


一般的なトレーニングの状況


4週間の強度分布

毎段階のトレーニングは微妙に異なる強度で構成されています。通常、トレーニングの初期には低強度中心のメニューからスタートし、徐々に中~高強度のトレーニングを増やしていくことが推奨されています。「4週間の強度分布」は、過去4週間のトレーニングを閾値ゾーンを基準にして強度分けし、あなたのトレーニングプランにリンクしているかを把握するのに役立ちます。もし、あなたの目標が中~高強度のトレーニングにフォーカスしていても、4週間の強度分布で低強度が中心になっていた場合、トレーニングを調整し、より高い閾値ペースゾーンに多くの時間を費やすように強度を上げてください。

ランニング強度を分類するために3つの強度レベルがあります。閾値心拍ゾーンは、他のすべてのワークアウトのタイプに使用されます。

●  低い:閾値ペースゾーン1

●  適切:閾値ペースゾーン2 / 3

●  高い:閾値ペースゾーン4以上



7日間総トレーニング負荷と推奨値

7日間総トレーニング負荷は、過去7日間のトレーニング負荷の合計を測定します。COROSはあなたの最近のトレーニング負荷が妥当かどうかを評価し、あなたのマラソンレベルやトレーニング履歴に基づいて、トレーニング成果を最大化しながら、最も故障しにくいゾーンを推奨します。7日間の総負荷が推奨ゾーンより高い場合、体の回復をより促すためにトレーニング強度を下げることをオススメします。



ベースフィットネス

ベースフィットネスは、長期間のトレーニングにより身体が様々なトレーニング負荷に耐えるための能力です。過去6週間のトレーニング負荷に基づいて計算され、基本的に指数関数的に最適化されたモデルであなたのベースフィットネスレベルを示します。値が高いほど、あなたの体はより長く、より頻繁に、より高い強度でトレーニングできることを意味します。ベースフィットネスは、しばらくトレーニングを中止すると、徐々に低下します。



疲労具合

1、疲労具合は、ベースフィットネスと短期負荷の両方の差異を示します。0〜100の数値のうち5つのゾーンからデータを表示します。短期負荷に耐える能力を加え、最近のトレーニングで体が受けている疲労状況を反映しています。数値が低い場合は高強度トレーニングをしてもよい状態であると示し、数値が高い場合、低強度のトレーニングや休養の必要があると示します。

2、短期負荷の数値が自分の疲労度だと思っている人が多いかもしれませんが、実はそうではありません。例えば、あなたとエリウド・キプチョゲが総走行距離100kmのトレーニングを数日間から1週間程度でこなすとして、それらで生じる負荷影響は同じかもしれませんが、エリウドのベースフィットネスは遥かに高いレベルにあることを考慮しないといけません。レースで最高の結果を出すために、あるいは山で最高の1日を過ごすために、ベースフィットネスができるだけ高くなるほうがいいでしょう。疲労具合の数値が低いのもいいですが、それが低すぎるとベースフィットネスも低下する可能性があります(休養しすぎるとベースフィットネスが低下する)。

3、疲労具合は客観的なツールであり、正確なフィードバックを提供するほか故障を回避し、トレーニング計画の調整や、期待するトレーニング効果に到達するためにも非常に重要な参考データとなります。以下の5種類の疲労ゾーンを設定しています。

●  低い(0-19)現在のトレーニング負荷が軽く、長期的にはフィットネスを低下させる可能性があります。

●  パフォーマンス(20-39)現在のトレーニング負荷が軽減され、レースで最適なパフォーマンスを発揮できるようになった状態です。

●  最適(40-59)現在のトレーニング負荷が、体力維持または向上のために理想的なものです。

●  高い(60-79)現在のトレーニング負荷が高いことを示します。

●  過剰(80-100)現在のトレーニング負荷が大きすぎて故障のリスクを高めています。



短期負荷

短期負荷とは、短期間のトレーニングによる身体への負荷と示します。過去7日間のトレーニング負荷を基に、指数関数的に最適化されたモデルで算出されます。数値が高いほど体に受けた負荷が高く、疲労によりパフォーマンスが制限されます。休養が多いと負荷の影響が下がり、逆にトレーニングが多いと負荷の影響が上がります。




リカバリータイマー&アドバイス

フィットネスの向上を得るためには疲労を伴うトレーニングが必要ですが、疲れすぎた状態でのトレーニングは故障の可能性を招きます。リカバリータイマーは各トレーニング終了後、完全回復まで必要な時間をフィードバックしてマラソンレベル、トレーニング負荷、ランニングパフォーマンス、残りの回復時間に基づいて、低強度または高強度トレーニングへの準備のタイミングを提案します。レッドゾーンに入ったら休養する必要があると示し、イエローゾーンに入ったら低〜中強度のトレーニングができ、グリーンゾーンに入ったら高強度トレーニングができると示します。

トレーニングをすればするほど、EvoLabがあなたのフィットネスデータを学習し続け、より正確なフィードバックが得られるようになります。

最大回復時間は96時間または4日に設定設計されています。例えば、100マイルレースを完走した後は「数日の休憩が必要」と表示すされることに驚かないでください。ほとんどの人はこのような高負荷のレースを終えた後は、充分な休養期間が必要です。

●  0% - 29%: 休憩

●  30% - 89%: 低強度トレーニング可能

●  90% - 100%: 高強度トレーニング可能



トレーニング効果

トレーニング効果は1分あたりのトレーニング負荷によって決定され、トレーニングが有酸素運動と無酸素運動(レース、高強度インターバル、レペティションなど)の両方にどのような影響を与えるかを評価するものです。この2つのシステムの分岐点は乳酸閾値です。一般的に1分あたりのトレーニング負荷が乳酸閾値の強度より低ければ有酸素運動のトレーニング効果が向上し、乳酸閾値の強度より高ければ無酸素運動のトレーニング効果が向上すると言われています。有酸素運動と無酸素運動のトレーニング効果は、以下の0~5の尺度で評価されます。

有酸素運動と無酸素運動のトレーニング効果には、次の6種類があります。

●  効果なし(0-0.9):運動能力への影響はほとんどありません。

●  回復(1.0~1.9):回復を促進することができますが、運動能力の改善はあまり期待できません。

●  維持(2.0~2.9):運動能力を維持します。

●  向上(3.0-3.9):週に2~4回繰り返す場合、運動能力を向上させます。

●  大幅向上(4.0-4.9):週に2~4回繰り返す場合、運動能力を素早く向上させます。

●  オーバー(5.0-5.9):十分な回復と組み合わせると、運動能力を大幅に向上させることができます。しかし、回復が追いつかないとオーバートレーニングの状態となる可能性があります。



トレーニング負荷

トレーニング負荷は、トレーニングでの身体に対する負荷を示します。毎回のトレーニング時、ウォッチはトレーニングインパルス(TRIMP)に基づくトレーニング負荷点数を計算します。これは心拍数とトレーニング時間を合わせてトレーニング負荷を定量化する方法です。

トレーニング負荷は、ウォッチのデータページに追加でき、トレーニングの強度や時間をリアルタイムで確認することができます。より長く、激しいトレーニングをすると、より高いトレーニング負荷の数値が表示されます。ウォッチやCOROSアプリでトレーニング負荷を比較し、今日のトレーニングと過去の同様のアクティビティとを比較して分析することができます。


ロードランニングメトリクス

ランニングレベル

ランニングレベルは、フラットコースでのマラソンのパフォーマンス予測を示します。あなたの最近のランニングパフォーマンスと、VO2Max、乳酸閾値ゾーン、ランニング効率などのデータが考慮され、点数が高くなるほどフルマラソンを速く走れることを意味します。ランニングレベルは通常、短期的にはあまり変化せず適切かつ継続的なトレーニングを行うことで徐々に向上します。

この指標は、ランモードとトラックランモードにのみ影響されます。室内ランではGPS使用ができ無いことで正確な距離を測れないため適用されません。また、標高差や異なる路面の変化によりデータが変化し続けるトレイルランモードでも適用されませんが、出力ペースなどの指標を基に将来的にEvoLabの機能はトレイルランモードを含んで計算される可能性があります。

ランニングレベルは0~100の5段階あり、最高レベルの100の数値はマラソンを2時間00分00秒で完走できる能力があること示します。

●  初心者(0~40):フルマラソン5時間以上

●  経験者(41〜60):フルマラソンで4~5時間

●  熟練者(61~70):フルマラソンで3時間半~4時間

●  上級者(71~80):フルマラソン3時間~3時間半

●  エリート(81-100):フルマラソン3時間以内


パフォーマンス予測

EvoLabは、ウォッチとCOROSアプリを通じて過去6週間のトレーニングをもとに、5km、10km、ハーフマラソン、フルマラソンのレースタイムとレースペースの予測値を示します。このレース予測機能を有効的に使ってレース戦略を立てることができます。

5kmとマラソンの特異的なトレーニングを同時期にするランナーはそこまで多くありません。ですから、異なるタイプのトレーニングが異なるレース距離の予測に影響します。30km以上の長距離走はマラソンの予測タイムに大きな影響を与え、60分のテンポ走はおもに10kmまたはハーフマラソンの予測タイムに影響を与えます。

また、EvoLabを初めて使用する際、システムの学習期間よりも早く正確なフィットネス評価を受けたい場合、COROSアプリでレース予測を簡単に手動で編集することができますが、手動更新でもランニングレベルやランニングパフォーマンスなど、ランニング関連の機能に反映されます。



ランニングパフォーマンス

ランニングレベルは毎日変化するわけではありませんが、睡眠、回復、以前のトレーニング、さらには精神的ストレスなど、様々な要因によってパフォーマンスに影響を与えます。ランニングパフォーマンスはあなたのベースフィットネスと比較して、直近のランニングがどの程度良好であるかを80〜120%の範囲で5段階で示しています。105%以上は自分自身のパフォーマンスを上回っていてレースでピークを迎える可能性が高いことを意味します。95%以下はもっと休息が必要な可能性があることを示します。

ランニングパフォーマンスは10分未満のトレーニングや強度が低すぎる場合、計測されない可能性があります。

80%~120%の範囲で5段階に分類されます。

●  悪い(80%~95%)

●  普通(96%~98)

●  良い(99% - 101%)

●  優秀(102% - 104%)

●  非常に優秀(105% - 120%)


VO2Max

VO2Max(最大酸素摂取量)とは1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量であり、様々なトレーニングシステムでよく使われる指標です。VO2Maxが高いほど、ベースフィットネスが優れていることを意味します。COROSは、最近の屋外ランニングの心拍数やペースなどのワークアウトデータに基づいてランニングVO2Maxを推定します。また、VO2Maxは短期間で大きく変化するような指標ではありません。EvoLabのVO2Maxの推定値は、他のブランドが提供するものよりもはるかに安定しています。


閾値心拍ゾーン

乳酸閾値とは、有酸素性トレーニングが無酸素性トレーニングに変化し始める分岐点のことです。また、乳酸が血中に蓄積され始めるトレーニング強度と定義することもできます。乳酸閾値は競技スポーツでよく使われる指標であり、従来の心拍数ゾーンに加え、トレーニングの焦点に応じた6つの閾値ペースゾーンを導入しました。

EvoLabでは、一般的なフィットネスレベルに基づいて個々に最適化された閾値心拍数とペースゾーンのデータを初期設定としています。あなたのトレーニングに適するために、デフォルトゾーンやほかの心拍数ゾーンを手動で編集することもできます。各ゾーンでのトレーニングはフィットネス向上のためのトレーニング効果をもたらします。関連するゾーンでトレーニングすることでベースフィットネス、乳酸閾値、無酸素性持久力を向上させることができます。

以下は、デフォルトの閾値心拍ゾーンとペースゾーンの詳細であり、手動編集したゾーンとは必ずしも一致しない場合があります。


心拍ゾーン1 / ペースゾーン1(有酸素性持久力ゾーン)

このゾーンは会話しながらでも十分楽なペースです。主に基礎的な有酸素能力を築き、心肺トレーニングに適しています。ジョグやLSDなどの低強度のイージーランニングはこのカテゴリーに入ります。


心拍ゾーン2 / ペースゾーン2(有酸素性パワーゾーン)

このゾーンは適度なペースであり、会話しながらのランニングが少々厳しくなるペースです。マラソンのための持久系トレーニングに適しており、レースでのリズム(ペース)コントロール能力を向上させることができます。マラソンのレースペースを意識したトレーニングはこのカテゴリーに入ります。


心拍ゾーン3 / ペースゾーン3(乳酸閾値ゾーン)

このゾーンでは次第に呼吸が荒くなってきます。おもに血中に蓄積された乳酸を酸化する能力を強化し閾値ペースを向上させます。クルーズインターバル(閾値ペースでのテンポ走の分割走)などはこのカテゴリーに入ります。


ペースゾーン4(乳酸閾値超過ゾーン)

このゾーンでは呼吸が次第に荒くなってきます。おもに血中に蓄積された乳酸を酸化する能力を強化し閾値ペースを向上させます。10kmレースペースのトレーニング(CVインターバルなど)はこのカテゴリーに入ります。


心拍ゾーン4 / ペースゾーン5(無酸素性持久力ゾーン)

このゾーンは荒々しい呼吸を伴います。おもにVO2Maxレベルを向上させる高強度インターバル走などに適用されます。


心拍ゾーン5 / ペースゾーン6(無酸素性パワーゾーン)

このゾーンはのとても激しい呼吸を伴います。無酸素性持久力や筋持久力を向上させるレペティションやショートインターバルなどの無酸素性トレーニングに適応されます。


心拍数やペースの測定値がゾーン1(有酸素性持久力ゾーン)以下の場合、COROSアプリのワークアウト詳細ページの心拍数やペースゾーンのサマリーには表示されません。



トレーニング焦点

トレーニング焦点は、ランニング終了時のトレーニング負荷と強度に基づいてトレーニングでフォーカスした部分を示します。ワークアウトにはリカバリー、有酸素、テンポ、閾値、VO2Max、無酸素の6種類のトレーニング焦点のうちの1つが表示されます。閾値ゾーンは努力度の把握には最適ですが、通常のトレーニングセッション中では1つのゾーンにとどまるわけではありません。簡単にいえばトレーニング焦点は、各ペースゾーンのトレーニング負荷の差異によって決定されます。

●  リカバリー回復力を維持・向上させます。

●  有酸素基礎的な有酸素持久力を向上させます。

●  テンポレースでのリズム(ペース)コントロール能力を向上させます。

●  閾値:乳酸性作業閾値を向上させます。

●  VO2MaxVO2Maxを向上させます。

●  無酸素:無酸素性持久力を向上させます。



トレーニングプラン

ワークアウト / トレーニングプランの作成方法

●  COROSアプリを開いてページ3から「トレーニングセット」を選択します。

●  ランやバイクなどの特定のアクティビティを選択して、トレーニングメニューを新規作成します。

●  作成したトレーニングメニューを選択し「ウォッチに送ります」をクリックします。

●  ウォッチの「トレーニング」で転送したトレーニングメニューが確認できます。




TrainingPeaksからウォッチにワークアウトとトレーニングプランをダウンロードする方法 :

●  COROSアプリを最新バージョンにアップデートします。

●  アップデート後、COROSアプリ>プロフィールページ>サードパーティアプリ>TrainingPeaksで一旦ペアリングを削除して新たにペアリングしてください。

●  TrainingPeaksのカレンダーに有効なプラン / ワークアウトがある場合、数分以内にCOROSアプリ>プロフィールページ>トレーニングプランの項目にTrainingPeaksのトレーニングプランが表示されます。

●  TrainingPeaksカレンダーに変更を加えた場合、TrainingPeaksプランセクションのある右上のアイコンからCOROSアプリに変更を手動で同期します。

●  トレーニングプラン開始をタップして、ウォッチにプランを送信します。

●  ウォッチがCOROSアプリと同期するたびに、TrainingPeaksカレンダーから更新されたトレーニングプランが同期されます。

●  TrainingPeaksプランは、左にスワイプすることで終了することができます。ただし、プランは現在の統合設定によりプランライブラリに残り、削除することはできません。

●  現在、COROSはTrainingPeaksの以下のワークアウトにのみ対応しています。その他のワークアウトの種類はすべて、COROSアプリ / ウォッチのトレーニングプランのセクションに同期できません。今後、さらにカテゴリーを追加する予定となります。

・ラン

・バイク

・スイム

・ストレングス