冬季の心拍数計測


光学式心拍数の限界

手首の光学センサーでの心拍数測定には、まだ技術的に大きな制約があります。 その心拍信号の強さや精度は、ユーザーの生理的状況だけでなく、外的要因の影響も受けやすいのです。

心拍信号の強さは個人差がありますが、それよりも装着位置や締め付け具合などにより関係があります。 そして、装着方法が心拍数データに与える影響は、冬季に顕著になります。


冬季の生理的変化

冬期の屋外での運動前には、体温低下の影響で血流が遅くなってしまいます。これが原因で手首からの光学心拍数信号が弱まり、運動中の正確な心拍信号が損なわれてしまう可能性があります。

(冬の寒さは心拍信号にも影響を与える)


また、運動中に心拍信号が弱くなると、センサーがケイデンスを心拍信号と誤認し、心拍データがケイデンスと同じか近いものになってしまうことがあります(下図参照)。 このような場合は、一時的に運動を中止し、ウォッチの装着位置や締め具合を調整し、光電センサーの信号を回復するのを待ってから運動を再開してください。



(セッションの後半に心拍数とケイデンスが近似している)


冬期のウォッチの使い方


ウォッチの正確な付け方

心拍数計測の精度を左右する最も重要な要素は、ウォッチの締め具合です。正しい位置に装着し適度な締め具合をキープしてください。バンドを締め過ぎると血流に影響が出ることがあります。

運動十分な準備運動

運動前に十分に体を温めることで心拍数や血流量を増やし、心臓や肺への急激な負担を減らすことによって心拍数信号をより簡単に拾いやすくなります。「ラン」モード開始前はまず準備運動を行ってください。GPSが正常に起動していて、心拍数の検出が完了したらボタンを押して運動を開始します。


その他のアドバイス

運動前後に手首を温めることで、心拍数を正確に把握することができます。一方、長袖や防寒用のジャケット着用時には、腕をまくってウォッチを見るので、その際にウォッチの位置がズレることで心拍数の計測に影響が出ます。この状況を避けるために、長袖の手首の部分に穴が開いたデザインのギアも開発されています。

その他、極寒地域での心拍数測定や心拍データの活用の際には、ウォッチをANT+やBluetooth対応の心拍ベルトと接続して計測する方法がオススメです。衣類の外側にウォッチを装着していても胸ベルトでの心拍数測定に影響しないので、正確な心拍数をリアルタイムで確認することができます。



(心拍バンドに接続したCOROSウォッチで正確な心拍データを取得できます)

上記の方法をいくつか実践することで、冬期でもより正確な心拍データをウォッチから取得できます。 寒い冬でもスポーツ愛好家の人々に、スポーツ体験を楽しんでもらいたいと願っています。