最適な心拍ゾーンの選択


心拍数とは外部負荷に対する心臓の反応であり、運動強度を最も直観的に表すものです。 運動中の心拍数を把握すれば、運動強度の変化も把握でき、それに応じてトレーニングが調整できるので、心拍数は運動を行う上での重要な指標の1つとなっています。 COROSのウォッチは、日常生活や運動中の心拍数をリアルタイムで確認することができます。

心拍数の具体的な数値を把握することだけでなく、さらに重要なのは心拍ゾーンを明確に把握することで自身の運動強度や運動効果を知ることです。


この点で運動愛好者をサポートするために、専門家がさまざまなニーズや理論に基づき、心拍数の異なる比率の異なる心拍ゾーンに分類しました。


PART 1. 心拍ゾーンは2つ以上ある

COROSのウォッチでは最大心拍ゾーン、予備心拍ゾーン、乳酸性閾値ゾーンの3つの心拍ゾーンをサポートしていますが、この3つの理論的根拠はある程度の違いがあり、ユーザーのニーズに応じて選択することができます。


⭕️ 最大心拍ゾーン

最大心拍ゾーンは、個人の直近の最大心拍数に基づいて設定されます。

この方法では最大心拍数の算出後、最大心拍数に対する割合に応じて5つのゾーンに分類されます。 これは、現在のアマチュアスポーツの領域において、最も一般的な心拍ゾーンの区分方法となっています。


51%~60% ウォーミングアップゾーン

61%~70% 脂肪燃焼ゾーン

81%~80% 有酸素ゾーン

81~91% 乳酸性閾値ゾーン

♥️ >91% 無酸素ゾーン


⭕️ 予備心拍ゾーン

予備心拍ゾーンは最大心拍ゾーンの延長線上にあります。

この方法では、最大心拍数を基準とするとともに、安静時心拍数も考慮しています。


安静時心拍数とはその名のとおり、覚醒時の安静状態での心拍数で疲労状態や身体能力が低下している時には僅かに増加します。

運動時の身体の状態を考えると、効果的に調整できる心拍数は最大心拍数と安静時心拍数の間、つまり「予備心拍ゾーン=最大心拍数-安静時心拍数」であるとされています。したがって、予備心拍ゾーンは、運動時に調整できる有効な心拍ゾーンを反映しています。


59%~74% 有酸素持久力ゾーン

75%~84% 有酸素パワーゾーン

85%~88% 乳酸性閾値ゾーン

89~95% 無酸素持久力ゾーン

♥️ >95% 無酸素パワーゾーン


⭕️ 乳酸性閾値ゾーン

乳酸は疲労の原因の1つです。研究者たちは、血中乳酸濃度と運動心拍数の間に相関関係があることを発見しました。 血中乳酸濃度が持久運動の臨界状態(乳酸性閾値、通常は血中乳酸濃度4mmol/Lに相当)に近づくと、乳酸が大量に蓄積され始め、これに伴って心拍数が変化します。

乳酸が体内に実質的に蓄積し始める平均心拍数を、乳酸性閾値心拍数と呼びます。個人の乳酸性閾値心拍数に基づき、運動心拍数も同様に5つのゾーンに分類されます。


65%~85% ウォーミングアップゾーン

86%~89% 有酸素性作業閾値ゾーン

90%~95% 乳酸性閾値ゾーン

96~105% 無酸素性作業閾値ゾーン

♥️ >105% 最大乳酸蓄積ゾーン


PART 2. 心拍ゾーンの選択と設定

COROSは3つの心拍ゾーンを提供していますが、それぞれのゾーンは優劣を示すものではありません。個人のニーズに応じて適切な心拍ゾーンを選択し、それに応じた効果的なトレーニングを行うことで良いトレーニング効果を得ることができます。


アプリ内で設定された心拍ゾーンに加えて、個人のニーズやコーチのニーズに応じて、心拍ゾーンをカスタムすることができます。ただし、心拍ゾーンを正しく使用するためには、ベースとなるデータが正確であることが前提です。


⭕️ 最大心拍数

最大心拍ゾーンと予備心拍ゾーンは、ともに最大心拍数の数値が基準となっています。適切な条件のもと、最大心拍数の測定は既定のモデルに従って行う必要がありますが、その運動強度は比較的大きいため、体の健康状態を確認した上で、サポートメンバーを用意して専門施設で測定を行うことを推奨します。


※推奨される測定方法(トレッドミルと心拍ベルトを使用):

1、8-10km/hのペースで15分ほど走ります。

2、15分が経ったらトレッドミルの勾配を2-3%上昇させます。

3、16分経過後、トレッドミルの速度を1分おきに1km/hを上げてください。

4、速度を上げていく段階でペースが維持できなくなると感じる場合、そこで走行を中止してください。運動記録をチェックし、心拍数が最も高かった時点の前後5-10秒の平均値が最大心拍数となります。


最大心拍数の測定方法には、上記外にも様々な方法があり、専門家に相談することで測定できます。また、測定する条件が整っていない場合は、高強度トレーニングでの最大心拍数を参考にすることができます。


⭕️ 安静時心拍数

予備心拍ゾーンは最大心拍数に加え、安静時心拍数の数値にも関係します。 起床後3~5分ほどじっと座って脈をとって安静時心拍数を測定するとよいでしょう。

また、COROSは日中、起きている時やリラックスしている時、安静時に計測した最も低い心拍数を安静時心拍数とし、直近の計測値から有効値を表示します。


⭕️ 乳酸性閾値心拍数

安静時心拍数と同様に、COROSのウォッチは乳酸性閾値心拍数も推定することができます。 一定期間の運動データの分析後、乳酸性閾値心拍数を自動的に予測することができ、運動頻度が多く使用期間が長いほどその予測精度が高くなります。

もちろん、より正確な数値を求める人は、大学の研究室といったスポーツ系の専門施設で測定するのが最適でしょう。


PART 3. 心拍数の数値は定期的な更新必要

上記の心拍数の確認方法は、ある時点での数値であって、時間の経過やトレーニングによって数値が変化することもあります。そのため、同じ心拍ゾーンで行う2回の運動で身体の感覚が大きく異なる場合は、運動能力が変化しているかもしれません。

したがって、各々にとって心拍ゾーンの妥当性を確保できるようにするためには、定期的なテストを行い、最新の心拍データを定期的に更新する必要があります。


まとめ

様々な心拍ゾーンは参考に値します。 心拍ゾーンの正しい分類方法を理解し、最大心拍数、安静時心拍数、乳酸性閾値心拍数を正確に把握することが、トレーニング効果を把握するための第一歩となります。 あとは、トレーニング強度とその効果を検証するためにトレーニングのニーズに応じて適切な心拍ゾーンを選択するだけです。