ペースと心拍ゾーンがリンクしていない


COROS EvoLabは、ランナーのトレーニング強度をより適切にコントロールするために、乳酸閾値心拍数/ペースとそれらと関連するデータを提供します。

最近、一部のランナーから「乳酸閾値心拍数/ペースがあまりリンクしていない」というフィードバックがありました。下のグラフはその典型的な例で、1回のLSDのランニングにおけるペースは基本的に有酸素持久力ゾーンより遅いですが、心拍数は有酸素パワーゾーンと乳酸性閾値ゾーンに突入しています。


(上はペースゾーン、下は心拍ゾーン)

この問題のトラブルシューティングのために、考えられる可能性のある項目をまとめました。 今回は乳酸性閾値心拍数/ペースについて取り上げていきます。


最大心拍数は正しい数値が設定されていますか?

乳酸性閾値心拍数/ペースは、EvoLabデータのベースとなる最大心拍数を基準にしています。 したがって、最大心拍数が正確でなければ、必然的に心拍数ゾーンやペースゾーンにズレが生じます。


乳酸性閾値ペースは正しい数値が設定されていますか?

最大心拍数などの基本的なデータが正確に記入されているにもかかわらず、ペースと心拍数があまりリンクしていない場合は、システムが推定した乳酸性閾値ペースが正確かどうかを確認してください。 乳酸性閾値ペースが実際よりも大きくかけ離れていると思われる場合は、以下のテストを行ってみてください。


十分なウォームアップの後、乳酸性閾値ペースで継続的に走る場合、そのペースで20分間維持できなければ血中乳酸値が高く、20~60分間維持できれば、より正確なデータとして信頼できるでしょう。また、60分以上走れるようであれば、血中乳酸値は低いといえるでしょう。


十分なウォームアップの後、乳酸性閾値ペースで継続的に走る場合、そのペースで20分間維持できなければ血中乳酸値が高く、20~60分間維持できれば、より正確なデータとして信頼できるでしょう。また、60分以上走れるようであれば、血中乳酸値は低いといえるでしょう。


あなたの推定能力は過大評価されている?

乳酸性閾値ペースだけでなく、システムが推定したパフォーマンスの予測値を分析することも可能です。能力が過大評価されている場合、心拍ゾーンがペースゾーンより高くなる可能性があり、能力が過小評価されている場合、心拍ゾーンがペースゾーンより低くなります。

能力が著しく過大/過小評価されているユーザーは、手動入力で予想値を修正し、システムはそれによって再修正されます。


有酸素持久力の問題ですか?

LSDのような長時間の運動では、最初の30分は心拍数が有酸素持久ゾーンで、その後は安定したペースだったものの心拍数が徐々に上がり有酸素パワーゾーン、さらには乳酸性閾値ゾーンに到達した、というユーザーの声があります。




(このユーザーはペースは常に有酸素持久力ゾーンにあるが、後半には心拍数が有酸素パワーゾーンと乳酸性閾値ゾーンに到達)

上図のようになるのは、ランナー自身のベースとなる有酸素持久力が低いからです。 一定期間のトレーニング後、この状況は大きく改善されるでしょう。


天候と環境の影響はありますか

心拍数は様々な外的要因に影響を受けますが、その中には天候や環境要因も含まれます。


天気

気温、湿度、風は心拍数に影響を与えます。一般的に高温多湿の環境では、通常よりも心拍数が高くなることがあるなど、気象条件が悪い場合は同じペースで走っていても心拍数が上がり、心拍数とペースがリンクしない状況が起こります。


環境

運動環境も心拍数に影響を与えることがあります。騒音が大きい場所、高地、起伏のあるコースでは影響を与えます。例えば起伏のあるコースはフラットコースよりも心拍数に大きな影響を与えます。この場合、心拍ゾーンはペースゾーンよりも強度が高くなるものです。


体調

運動をする人にとって、次回の運動までに良好なリカバリーをとることが不可欠であり、休息の状況は心拍数に重要な影響を与えます。不眠や睡眠不足では安静時心拍数や運動時の心拍数の上昇を引き起こします。

オーバートレーニングが運動時の心拍数に大きな悪影響を与え、回復が十分でない場合はそれまでと同じ運動強度でも心拍数が著しく高くなることがあるので注意してください。 このような条件下でのトレーニングは、心拍ゾーンとペースゾーンがリンクしにくくなります。

日々のトレーニングで心拍ゾーンとペースゾーンがあまりリンクしていない場合、まず上記のポイントを実行してトラブルシューティングを行いながら、心拍数とペースがそえぞれ正確かを確認してみてください。 それでも互いに不正確であれば、公式HPのお問い合わせよりご連絡ください。