高地モードとSpO2

※COROS PACE 3/APEX Pro/APEX 2/APEX 2 Pro/VERTIX/VERTIX 2/VERTIX 2Sで使用可能


オキシメーター/酸素飽和度

COROSウォッチのツールボックス(バックボタン長押し)から「オキシメーター」を選択すると、SpO2(酸素飽和度)の測定ができます。SpO2測定の精度を保つには、1~5分間座って安静状態を保つ必要があります。激しい運動を伴うと酸素飽和度がやや変化することがあり、誤ったデータとして表示されることがあります。

● ダイヤルを押してSpO2測定を開始します。

● ウォッチはどの標高でもSpO2の測定値を表示しますが、高地順応度(高地順応を示す指標)は標高2,500m以上でのみ表示されます。

ウォッチでSpO2測定をしている間は安静状態を保ってください。


高地順応度

● 上段:高地順応度(標高2,500m以上で表示)

● 中段:SpO2の測定値と前回測定からの経過時間

● 下段:標高

● 下にスクロールすると、直近24時間と3日間のSpO2(赤、黄、緑)と標高(青)のグラフが表示されます。

高地モード

SpO2(酸素飽和度)は、血中の酸素量の推定値で、血中で酸素運搬を行うヘモグロビンの量を測定します。COROSウォッチでは、血管への発光・反射のプロセスを経てSpO2の数値を算出します。SpO2は標高が高くなるにつれ徐々に低下していきます。

標高2,500m以上の高地環境では酸素摂取量とSpO2が低下し、急性高山病や高地肺水腫(HAPE)などの症状を引き起こす可能性があります。COROSウォッチはSpO2、心拍数、標高などのデータを測定し、ある標高においての高地順応度を推定します。

COROSの開発研究チームは、手首装着の腕時計にSpO2の検出技術を適用することに成功し、指先測定での医療用のSpO2測定に匹敵する精度に到達しました。しかし、SpO2のデータは、高山病のリスク分析や高地順応の評価、活動量の推定など、おもに登山者の活用に限られていました。

COROSは大学のスポーツ研究室と提携し、研究室で高地環境をシミュレーションし、1年以上の研究を経て高地順応の評価システムを開発しました。このシステムを活用して、個人の高地順応分析とリアルタイムの測定とを組み合わせることで、登山者に対して実用的な高地順応のサポートとガイドを提供します。COROSの高地順応の評価システムは、標高2,500m以上の場合にSpO2を測定すると、登山者の高地順応レベルを評価します。このシステムを活用した登山者は正確な情報を得ることができ、リアルタイムのモニタリングと通知によって高山病の予防に役立ちます。

測定したSpO2の数値に基づき、高地順応度は登山者の活動計画に役立てることができます。

● 高地順応度が0〜60の場合、登山者はその時の標高に対して順応性が低い状態です。SpO2がこの数値の範囲内に長時間留まり、かつ頭痛、心拍数の増加、呼吸困難、胸の圧迫感、唇の変色などの症状がある場合は、下山することを検討してください。ただし、明らかな不快感が無い場合は、まずは身体を休めてください。

● 高地順応度が61〜80の場合、登山者はその時の標高に対して順応性がまずまずの状態です。明らかな不快感が無い場合は登山者は高地環境での活動を行い、その時の標高に適応していくことができます。ただし、不快感がある場合は、まずは身体を休めてください。

● 高地順応度が81〜100の場合、登山者はその時の標高に対して順応性が高い状態です。明らかな不快感が無い場合は、高地環境での活動を長時間行うことができます。


SpO2の測定中は、測定の精度を保つためにウォッチを手首にしっかりと密着させ、手首の骨の隣に装着してください。測定中は、前腕を水平に保って静止状態を保ってください。もし、気温が低い場合、血流が滞ってウォッチがSpO2測定をできなくなることがあります。測定中に低温状態の通知が表示された場合は、手首の温度を上げてから測定を再開してください。